絹ごし?木綿?違いはなに?代用は可能なの?意外と知らない豆腐事情

安価で使い勝手のいい豆腐は、さまざまな料理に使われるメジャーな食材です。
便利な反面、レシピには「豆腐」と書いてあるだけのことが多く、「木綿豆腐」と「絹ごし豆腐」、どちらを使えばいいのかか悩んだことはありませんか?
どちらも同じ値段で売られているからこそ、さらにその悩みは深まります。
今回は、そんな悩みをもつ方のために「絹ごし豆腐と木綿豆腐の違い」についてご紹介いたします。
絹ごし豆腐と木綿豆腐の違いについて
使う「生地」の違いが「絹ごし」と「木綿」の違い。これ、間違いです!
絹ごし豆腐と木綿豆腐の違いを聞くと、「製造過程で絹布を使うか、木綿布を使うかの違い」と答える方がいらっしゃいますが、これは間違いです!
製造過程に絹も木綿も使いません。ではなぜ木綿豆腐・絹ごし豆腐というのでしょうか。
呼び名の違いを見るために製造方法を見てみましょう。
豆腐の作り方を簡単に説明すると、
- 水につけた大豆をすりつぶしてしぼると、おからと豆乳に分離します。
- 豆乳に凝固剤(にがり)を加えて型に流し込みます。(これが絹ごし豆腐)
- 固まったものをたくさんの穴が開いた型に崩しいれ、圧力をかけつつ水分をぬきます。(これが木綿豆腐)
いかがですか?絹ごし豆腐と木綿豆腐の違いについてご理解いただけたでしょうか。
絹ごし豆腐と木綿豆腐を比べると、出来上がりのなめらかさが異なります。つまり、このなめらかさの違いを表現したのが「絹」と「木綿」ということです。決して生地の違いによるものではありませんのご注意ください!
絹ごしと木綿の違い。食感と舌触りについて
絹ごし豆腐と木綿豆腐の違いについて分かったところで、次はそれぞれの特徴についてご紹介いたします。
それぞれの作り方を見ると、木綿は硬く絹ごしは柔らかい。ということは想像がつきそうですね。実は、特徴はそれだけではありません。 それぞれの特徴についてまとめましたので、参考にしてください。

同じ豆腐でもこれだけの違いがあります。中でも栄養の違いは意外だったのではないでしょうか。
目的(作りたいレシピ)に応じて使い分けるのも1つですが、栄養素の違いから使い分けるのもいいかもしれませんね!
絹ごしと木綿の違い。栄養の違いについて
先ほど、栄養の違いについて紹介しましたが、同じ豆腐なのにどうして違うのか。疑問に思いませんか?
そんな疑問のために、絹ごし豆腐と木綿豆腐に含まれる栄養が異なる理由についてお話いたします。
【栄養の違いは製法の違いによるもの 】
絹ごし豆腐と木綿豆腐の栄養が異なる理由は簡単に言うと【製造方法が違うから】です。
木綿豆腐は圧力をかけて、水分を抜きながら作るということを思い出してください。木綿豆腐は水分を絞りながら作るので圧縮された状態つまり、栄養もその分ぎゅっと詰まった状態になります。
このことが、絹ごし豆腐に比べて木綿豆腐の方がカルシウムやたんぱく質、脂質、食物繊維を多く含む理由です。
では、絹ごし豆腐に比べて木綿豆腐の方がビタミンB群の含有量が少なくなるのはなぜでしょう。
実は水分を絞りながら作る木綿豆腐は、その水分と一緒に栄養素を流失していることが理由です。つまり、水液中に溶ける栄養素が流れ出てしまうことで少なくなる。ということですね。
製造方法の違いを知っておくと分かりやすいですね。
少し余談ですが、豆腐のパックの中に入っている水は豆腐が崩れないように入れられている、いわばクッション材のようなものです。そのため、栄養分は含まれていません。
絹ごし豆腐・木綿豆腐は違う。互いに代用は可能なの?
ここまで読み進めていただいた方は、おそらく絹ごし豆腐と木綿豆腐の違いについて理解できた頃だと思います。
それでは違いが分かったところで、次に
「絹ごし豆腐と木綿豆腐が代用できるのか」について考えてみましょう。 この「代用できるのか問題」は、意外と悩むことが多いと思いますのでぜひ参考にしてください。
絹ごし豆腐と木綿豆腐は代用可能!
結論から言うと、絹ごし豆腐と木綿豆腐は代用可能です。ただし、「代用可能か」という問題は、好みが大きく関係します。
例えば、味噌汁を作る場合、絹ごし豆腐のツルンとした食感が好みの方もいれば、木綿豆腐のしっかりとした食感が好みの方もいますよね。実際、豆腐ハンバーグはしっかりした木綿豆腐を使った方が作りやすいですが、絹ごし豆腐でも作れます。
ここで代用する際のポイントです!
絹ごし豆腐は製法上の違いから木綿豆腐と比べると水分を多く含みます。もし代用するなら、しっかり水切りを行なってから使うようにしましょう!
絹ごし豆腐を木綿豆腐の代わりに使う!豆腐の水切り方法をご紹介
絹ごし豆腐を木綿豆腐の代わりに使う場合、水切りをしてから使うのがおすすめです。 豆腐の水切りの方法をいくつかご紹介いたしますので、参考にしてください。
【沸騰したお湯で茹でる 】
お湯で煮ることで絹ごし豆腐も木綿豆腐のように固くできます。
その方法は、簡単。 鍋に湯を沸かし、豆腐を2~3分程度煮ます。ザルに開けて放置すると絹ごし豆腐の水分が勝手に切れます。放置する時は、何かで重しをすると時短につながります。
【レンジで加熱する 】
キッチンペーパーにくるみ、500Wで2~3分程度加熱します。レンジ後の絹ごし豆腐はプルプルしているので扱いに注意が必要です。うっかり崩れてしまった…ということにならないように!
【重しをのせる 】
こちらは水切りを行う最も一般的な方法ですね。レンジで水切りを行う方法と同様、豆腐をキッチンペーパーで包み、お皿などの重しをのせて20~30分放置します。
ご覧のとおりいろいろな方法で水切りができますので、献立に合わせてベストな方法をチョイスしてくださいね!
ちなみに、しっかり水切りを行いたい方は重しをのせる方法がおすすめです! レンジを使った水切り方法は早くて便利ですが、重しをのせる場合より水切りできる量が劣ります。そのため、しっかり水切りをしたい方はレンジ以外の方法をおすすめします。
絹ごし豆腐・木綿豆腐を使ったおすすめ料理をご紹介
絹ごし豆腐を使ったおすすめレシピ
サラダ

木綿豆腐を使ったおすすめレシピ
豆腐ハンバーグ

絹ごしでもない!木綿でもない!充填豆腐とは?
絹ごし豆腐と木綿豆腐の違いについてご紹介させていただきましたが、最近は「充填豆腐」という豆腐が売られているのをご存知でしょうか。 絹ごしでもない。木綿でもない。「充填豆腐」についてご紹介いたします。
充填豆腐って?
充填豆腐を知らないという方もいるかもしれませんが、実は身近に売られている豆腐です。
スーパーで3つくらいの小さな豆腐がセットになっている豆腐、それが充填豆腐です。
充填豆腐の特徴は絹ごし・木綿豆腐と作り方が異なる点です。 絹ごし豆腐や木綿豆腐は、型に入れ固めてから成形しパックに入れますが、充填豆腐はパックに入れてから固めます。そのため、充填豆腐は絹ごしや木綿豆腐のようにパックの中に水が入っていないのが特徴です。
絹ごし・木綿豆腐にない充填豆腐の特徴
【充填豆腐は長期保存が可能 】
充填豆腐は、絹ごし・木綿豆腐に比べ長期間保存できる特徴があります。
充填豆腐はパックに充填後、加熱し固めて作られます。そのため殺菌と消毒処理の工程が加わるので長期保存ができるのです。
【エグ味が残る 】
充填豆腐は長期間の保存が可能なメリットがある一方で、マイナスのポイントもあります。
それは、豆腐が持つ余計なアクが残っていることです。
充填豆腐は、絹ごし豆腐や木綿豆腐のように水にさらす工程がないため、豆腐が持つアクが残っています。そのため、人によってはエグ味を感じる場合があります。
充填豆腐の味が苦手という方は、少し面倒ですが一度水にさらしてアク抜きをしてから食べるようにしてみてください。
まとめ
今回は豆腐のちょっとした悩みについてお話させていただきたましたがいかがでしたか?
オールマイティーに活躍する豆腐も特徴をしっておくことで、さらに便利に使えるようになるはずです。
ぜひ今回お伝えしたことを参考にしていただき、普段の食事作りに活かしてください。